
なぜ日本の賃料利回りは世界 2 位なのか
世界 50 主要都市のうち、東京 23 区の純賃料利回りは 4.61%——世界 2 位(JLL 2024)。差は「高い / 安い」ではなく、構造にあります。
「賃料利回り」= 年間賃料 / 物件価格。数値が高いほど投資型不動産のキャッシュフローが良い、という指標です。2024 年に JLL が調査した世界 50 都市のうち、1 位は東南アジアの一部の二級市場(サンプル数が少なく、海外投資家のアクセスが難しい)。<strong>2 位は東京 23 区、純利回り 4.61%</strong>です。同期比較:香港 2.1%、ロンドン 3.0%、ニューヨーク・マンハッタン 2.8%、シンガポール 3.0%、上海 1.8%、北京 1.7%。東京の特異性:G7 諸国の中で、<strong>「先進市場の流動性」と「4% を超えるキャッシュフロー利回り」を同時に満たす</strong>のは日本だけです。
なぜ日本がこの数値を維持できるのか。3 つの構造的要因が重なっています。01 · 30 年にわたる緩やかなバブル解消。1991 年のピーク以降、日本の不動産価格は 20 年間下落、2012-2024 年に緩やかな回復に転じましたが、それでも 1991 年水準には戻っていません。一方、欧米・アジアの主要都市は同期間で価格が倍以上になっています。02 · 賃貸需要の硬直性。東京の高密度、引っ越しを好まない文化、高い単身比率、留学生・外国人労働者の継続的な流入により、23 区賃貸マンションの空室率は長期的に 3% 未満。03 · 外国人購入者の参入障壁ゼロ。シンガポール ABSD(60% 印紙税)なし、香港 BSD(15%)なし、中国大陸の社会保険 5 年 + 1 戸制限なし。供給側が緩い → 価格が上がりにくい → 利回り高位で安定。
この数値は今後も維持できるか。2022-2024 年、東京中心部の価格上昇率(年 5.4%)が賃料上昇率(2.5-3%)を上回り、純利回りは 2020 年の 5.4% から 4.61% まで緩やかに圧縮されました。ただし下方には自然な底値があります:東京の世帯所得対比(住宅価格/年収 約 8.5 倍)は G7 の中でもまだ低めの水準、空室率 2.4% は物理的下限に近く、賃料への波及は時間の問題。今後 5-7 年の見通し:<strong>東京 23 区の純利回りは 4.0-4.8% のレンジで安定</strong>。これは他の主要市場ではほぼ複製不可能な構造です。
出典:JLL Global Real Estate Research 2024 + Knight Frank Wealth Report 2024 + 国土交通省 不動産価格指数。すべての数値は 2024 年市場を反映しており、<strong>投資助言ではありません</strong>。賃料利回りは築年数 / 立地 / 税制 / 為替 / 市場サイクル等の影響を受け、過去の実績は将来を保証するものではありません。